この記事の内容
これから就職をどうしようか迷ってる学生に元薬剤師がおすすめの就職先について教えます
はじめに
薬学生なら一部を除き『薬剤師免許取得』が
薬学部に通う学生の最終目標だと思います
2006年から薬学部も医学部や歯学部と同様に
薬剤師国家試験受験資格を習得する為に
6年間大学に通わなくてはいけなくなりました
なぜ4年から6年に増えてしまったのか?
【薬学を履修する過程のうち臨床に関わる
実践的な能力を培う為】
これにより半年間の薬局病院実習が義務化
されました
薬剤師の教育を充実させ医療の質を向上させる
というのが厚生労働省が6年制にした理由です
薬学部が6年制に移行
最初に起こった事は薬学部の新設が28校増え
総定員数が大幅に増加し、私立薬学部の
平均偏差値が6年制に移行前に比べて低下しました
これにより今後発生すると思われる問題
薬剤師の供給過多
今後就職先に困る薬剤師が出てくる可能性あり
まあ普通に考えれば分かる事です
最新のデータを確認
厚生労働省が発表しているデータによると
平成30年12月31日現在における
全国の届出薬剤師数は311289人で
男:120,545人(薬剤師総数の38.7%)
女:190,744人(薬剤師総数の61.7%)
女性の薬剤師が多い事が分かります
平成30年届出薬剤師数は前回と比較すると
9,966人と3.3%増加しています
現在薬剤師が働いている所についても公開されて
います
平成28年→平成30年の変化を見てみましょう
【薬局の従事者】
180,415人(総数の58%)4.8%増加
【医療施設の従事者】
59,956人(総数の19.3%)3.3%増加
【大学の従事者】
5263人(総数の1.7%)4.3%増加
【医薬品関係企業の従事者】
41,303人(総数の13.3%)1.7%減少
医薬品関係企業のみ減少しており
約60%は薬局に従事している事が分かります
【施設の種別に年齢階級】
薬局、病院、衛生行政機関又は保健衛生施設
では30〜39歳
診療所、介護施設では60〜69歳
大学では40〜49歳
医薬品関係企業50〜59歳が最も多い
平均年齢で見てみると
薬局は46.7歳
病院は41,0歳
診療所57.6歳
介護保険施設59.2歳
大学46.9歳
医薬品関係企業47.7歳
衛生行政機関又は保健衛生施設42歳
年次推移でみると
薬局は大幅に増加180,415人
医療施設は59,956人と増加傾向が続いている
厚生労働省発表の統計データでみても徐々に
薬剤師数の増加や薬局の従事人数が大幅に増えて
いる事が分かったと思います
つまり今後どうなるか
薬剤師過剰により薬剤師が就職難になる
給料が低下
近い将来そのような現実になるのもそう遅くない
かもしれません
薬剤師の就職先について
薬局で従事している人数が大幅に増加したのは
何故でしょうか?
それは6年制が影響している事は間違いありません
私立薬学部増加も要因になっているでしょう
私立薬学部の年間の学費は約200万くらいです
つまり6年間通うと大体1200万かかります
親が富裕層であれば払ってもらえると思いますが
多くの学生は奨学金を借ります
卒業と同時に約1200万の返済がSTARTします
つまり薬剤師として働いてすぐに1200万の借金
生活の始まりです
無利子ならともかく有利子なら利息も発生して
支払いが遅れるとどんどん支払う額が増えて
しまいます
私も奨学金を500万ほど借りていましたが
毎月25000円の支払いは正直キツかったです
なので早期に一括返済致しました
借金は早く返済したいと思うのが普通ですので
手っ取り早くお金を稼ぐ為にドラッグストアや
薬局に就職する人が増えたのだと考えられます
病院の初任給は私が就職した時点で手取り13万
今は6年制になってのでもう少し高いとは思います
が薬局やドラッグストアの初任給と比較すると
圧倒的に少ないのは事実です
当然病院ではなく薬局やドラッグストアに
就職した方が早期に奨学金を返済出来ます
就職するならどこが良いか
薬剤師業界は、今後厳しい事に変わりはありません
病院に就職して専門資格を取得したいと考える
薬剤師も多いと思います
実際に病院に就職するとどうなるのか?
薬剤師会や各種学会に入会する事になります
自己研鑽という名の研修制度があり
奨学金返済だけでなく年会費や更新料が必要です
研修も地方だとなかなか開催されないので
都会に行ったりすることで費用もかかります
勿論参考書籍代とかもかかります
奨学金がなく専門資格を習得して
医療の最前線で働きたいなら医療施設でも良いと
思います
医療施設で働く事で得た知識は
薬局でしか働いた事がない薬剤師と比較すると
圧倒的に高い事は言うまでもありません
奨学金の返済のため
薬局やドラッグストアに就職する人が多いですが
正直薬局やドラッグストアはいつでも就職出来ます
都会は飽和状態にありますが人気のない田舎は
今のところ需要は少しだけあります
今後は少しずつ低下していきます
本来医療施設は非営利団体であるべきですが
上場企業のドラッグストアや薬局は利益を上げ
株主に還元しています
厚生労働省が6年制にした理由は医療の質の向上
実際は株主の利益の向上にしか繋がっていません
まあアベノミクスだって結局は富裕層が一番
恩恵を受けて庶民は給料が上がらず物価が上昇し
生活の質が低下している
似たような事が薬剤師業界にも起こっています
ではどうすれば良いのか?
これからの時代は個人の能力が必要とされています
もし貴方がビジネスの世界で今後も仕事をしていき
たいと考えているなら間違いなく製薬企業に就職
した方がメリットがあります
製薬企業でMRとして働く事でMR資格も習得し
更にビジネス能力の習得や営業能力
を習得する事が出来ます
最近では某有名タレント医師がパワハラ騒動で
報道されていますが医者と薬剤師の関係も
もちろん天と地の関係です
だれも医者には逆らえないのです
余計な事を言ってしまったら医者が激怒します
結局医者が発行する処方箋によって薬局は
成り立っている為、仕方がない事です
しかし医者相手に対応できる能力を習得出来れば
薬局でもドラッグストアでも、自分の能力を
アピールする事が出来るため
後から就職した方が結果的に収入が増える
可能性があります
病院から就職したら薬局薬剤師の知識レベルの
低さに驚くかもしれませんが
給料は既存の薬局薬剤師とあまり変わらないと
思います
知識がお金になる業界ではなく利益を追求する為の
人員の1人になるからです
まあプライド高いなら病院に居続けた方が良いです
薬局やドラッグストアから製薬企業に就職は
難しいですが、その逆ならまだ問題ありません
じゃあ製薬企業一択と言われると実はそうでも
ありません
最近製薬業界でも早期退職の話が多く出ております
新薬開発費の増加や新薬がなかなか発売されない
状態で、医者への接待も禁止になりました
今まではボールペンなんて捨てるくらい
メーカーから貰っていましたが、
そう言った販促物も激減しています
つまり無駄な物は徹底的にコストカットされ
必要とされるMRの数がどんどん減っています
日本はアメリカみたいな実力主義とは違い
年功序列システムで成り立っていました
売り上げが低下している中で人件費を削減する事が
手っ取り早いので年齢が高い社員に対して
早期退職を促しているのです
私の知り合いも、ほとんどが製薬企業に勤めて
いましたが製薬企業に残ってるのはごく僅かです
唯一薬剤師免許を取得してメリットがあるのは
女性だけかもしれません
薬剤師免許を取得してるのにも関わらず
短時間勤務でしか働かない女性薬剤師は多くいます
理由?
結婚してたら夫と収入+αでもそれなりの
金額になるからです
女性でフルタイムで働いているのは
新築建てたり子供の学費の捻出の為に
働いている人がほとんどです
子育ても無理なく出来るので資格がない女性と
比較すると圧倒的にメリットです
薬剤師の数が増え続けるとメリットも
徐々に少なくなるでしょう
結局この業界にオススメの就職先なんてありません
薬剤師の奥さんがいる夫が一番メリットかも
しれません
最後に
薬剤師免許を取得を目指す人にとってはなかなか
受け入れ難い事かもしれません
最終的には自分で判断するしかありません
☑︎自分自身がプライドが高いと思う
病院一択
(ただし医者には何をやっても敵わない)
(劣等感感じるなら医学部目指したほうが良い)
☑︎ビジネス能力を習得したい
製薬企業一択
(給料水準はまだ高い)
転職する時はメリットあり
☑︎人から何を言われても気にしない人
薬局一択
(パワハラ患者に耐えなければならない)
【私の個人的意見】
病院は沢山勉強しなくてはいけないが
やりがいはそれなりにあり楽しい職場だった
ただお金は貯まらないし減る一方
専門資格取得した後も次の更新のために
お金が必要とか意味不明
ドラッグストアはサラリーマンと同じで
会社を愛さなければ続かない
医療の質の向上ではなく店内の質の向上に
従事させられる
1200万借金してレジ打ちや品出し業務
プライドのかけらもない人達の溜まり場
調剤薬局はパワハラ患者の暴言や態度に
何も言えない薬剤師を見てここじゃないかなと
見切りをつけた
私が選んだ道は薬剤師を辞める事でした
薬剤師会や学会も全て退会
研修制度更新も辞めました
毎年お金を搾取される事から脱却し
その分、投資資金に移行して種まき開始
一度きりの人生なので楽しく生きて行きたい
ただそれだけです
それでも薬剤師に憧れるなら目指して下さい
やり方によっては価値を見出す事は可能です